パターン・ランゲージ事業
暗黙知を言語化・体系化する手法『パターン・ランゲージ』を用いて、組織内のコラボレーションと創造性を支援いたします。
パターン・ランゲージは建築の分野で生まれ、その後ソフトウェア開発、教育、福祉、社会デザインと幅広い分野に拡がりを見せている情報共有と発想支援、そしてコミュニティデザインのための手法です。この手法を用いて組織内に存在する経験知や、暗黙的に共有されている価値観を言語化・体系化のお手伝いをいたします。
パターン・ランゲージとは
パターン・ランゲージとは、とある分野における「暗黙的な知識」やコミュニティ内で共有されている「価値観」を言語化・体系化して、活用可能にするための手法です。
熟練者が持つ経験則や、コミュニティの歴史の中から生まれた風土や企業文化など、一部の人の間でのみ暗黙的に共有され、それ以外の人には、言語化されていないために、なかなか伝わりづらい情報があります。
パターン・ランゲージでは、インタビューなどを通してこうした暗黙的な知識や価値観を掘り下げ、その本質を「パターン」と呼ばれる特殊なフォーマットで記述していきます。
こうして新たな「ことば」が生まれることで、組織内のアイデアやコミュニケーションが活性化されます。
パターン・ランゲージの効果
パターン・ランゲージでは、過去の複数の事例に共通する本質を「パターン」として切り出し、それぞれに象徴的な名前をつけることで、新たな「語彙」をつくっていきます。
それぞれのパターンでは、その分野で繰り返し発生する「問題」と、それに対処するための「解決策」が一対となり、
特別なフォーマットに沿って書かれています。この情報を象徴するように、魅力的な名前をつけたものが「パターン」です。
パターンがトリガーとなり、ともすれば熟達者にしか見えていない「問題」を認識できるようになったり、問題に直面している際に新たな発想が生まれるようになったりします。
こうしたことから、パターン・ランゲージには主に次の3つの役割があるとされています。
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認識のメガネ
私たちの思考や認識は、ことばによって形づくられています。新しい語彙を提供するパターンによって、身の回りの状況をより深く認識し、そこから学ぶことができます。
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対話のための語彙
新しい言葉ができることによって、それまでは中々言葉で言い表せなかったことに、直接言及できるようになります。そのパターンの実践方法について話し合ったり、普段のコミュニケーションのなかでパターン名を共通言語として使えば、知識やアイデアをスムーズに共有できます。
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アイデアの発想
パターン・ランゲージの中から現在の状況に当てはまるパターンを探して実践することはもちろん、実践の中でパターン名を思い出して行動することで、創造的に、臨機応変に活動することが可能になります。
パターン・ランゲージの活用
パターン・ランゲージ手法は建築の分野に原点がありますが、その抽象性と汎用性から、現在は教育や組織デザイン、福祉や社会変革など、様々な分野に応用され始めています。
完成したパターン・ランゲージは、書籍として読むのはもちろん、カードにして各種ワークショップやプログラムの開催を通じて教育やビジネス、コミュニティの設計に非常に有効です。
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対話の場づくり
ランゲージ内の各パターンをトピックに、お互いの悩みや工夫を共有するコミュニケーションツールになります。ただ漠然と話し合うのではなく、明確な問題や解決策について論点を絞り込むことができるので、より効果的で豊かな対話が生まれます。
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アイデア発想
パターンの内容を発端として、様々な問題への改善策や商品のアイデアなどを発想することができます。各パターンは決して「答え」は与えず、抽象的な思考の「型」を提供してくれるため、今の自分の状況や他のアイデアと組み合わせながら、無限のアイデアのきっかけになります。
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研修・教育
パターン・ランゲージを通して、該当分野の知識や作法を体系的に理解し、また自分なりの応用方法をデザインすることが可能です。この特性を生かして、パターン・ランゲージを使用した研修や教育プログラムの設計が可能です。
制作プロセス
パターン・ランゲージ制作の流れを簡単にご紹介します。
パターン・マイニング 情報収集
- 3つの主な手法で情報収集(パターン・マイニング)を行います。
- パターンの作成元となる情報源に応じた手法で情報を掘り起こします。「マイニング・インタビュー」とは、熟達者へのインタビューを通したパターン探索です。Q&A ではなく、対話形式でインタラクティブに問題発見・解決の知恵を探っていきます。「ホリスティック・マイニング」は、熟達者同士の対話を介したパターン探索で、ブレスト形式でそれぞれの経験を量的に共有し合います。そして「文献調査」でその分野の文献を網羅的に調査をして、「問題発見・解決の知」を書き溜めていきます。また多くの場合、これら手法の組み合わせによるマイニングも行われます。
パターン・ライティング 言語化・体系化
- パターン・マイニングを通して発見された情報を「パターン」の形式で記述していきます。
- インタビューや文献調査などが終わった段階では、多くの情報が離散的に存在し、何が本質であるかが見えていない段階です。本ステップではその内容を精査し、情報同士の隠れたつながりや本質的に重要な要素を洗い出し、その内容をパターンのフォーマットで記述していきます。
パターン・シンボライジング 仕上げ作業
- パターンの文章を繰り返し洗練させるほか、その内容を象徴的に表すイラストを制作したり、本やカードにおける表現方法を探索し、完成しつつあるパターン・ランゲージの最適なアウトプットを探っていきます。
製作したパターンランゲージの活用を
徹底的にサポートします!!
- ①パターンランゲージを活用したワークショップ・研修
- 対話のワークショップ、チームビルディング、アナロジカルシンキング研修、
ナレッジマネジメント研修、その他目的別ワークショップデザイン - ②ワークショップキットの開発
- パターンカードの製作、ワークシートの設計 他
- ③パターンランゲージのアップデート及び修正
- パターン・ランゲージの修正・追加・リデザイン 他
- ④社内コミュニケーションツールの開発
- 日常的なツール作成、カルチャーランゲージの製作 他